日本認知科学会
知覚と行動モデリング(P&P)研究分科会
 「知覚と行動モデリング(Perception & Psychonomic modeling)」研究分科会(SIG P&P)では,知覚・行動における情報処理システム・脳システムのメカニズムを統合的に理解することを目指し,心理学・脳神経科学・社会科学・人工知能・ロボット工学などの多様なバックグランドを持つ研究者が集い,知覚と行動の認知モデルについて多角的に議論していける場を提供していきたいと思います。多感覚知覚・身体性/社会性認知・エンボディメント・コミュニケーション・意識・美感・ニューロエコノミクスなどの様々な分野と関連しながら,実験心理学や認知神経科学からのアプローチによる知覚・認知行動研究の新たな枠組みを創出することを目指します。


ワークショップ「社会神経科学と知覚研究」を開催しました。


今回のワークショップでは「社会神経科学と知覚研究」をテーマに掲げ、
生理研の北田先生と原田先生にご講演をいただきました。
また、若手研究者による11件のポスター発表が行われました。
当日は39名の方がご参加くださり、活発な討論が行われました。
ご来場くださったみなさま、登壇者の先生方、発表者のみなさま、
本当にありがとうございました。

日時:2015年3月14日(土) 13:00-16:20
場所:東京女子大学 7号館7105教室
   http://office.twcu.ac.jp/info/access.html
共催:東京女子大学心理科学研究会、音声・音楽研究会
参加費:無料
事前申込み:不要 

プログラム:

13:00-13:05 ワークショップの説明



13:05-14:05 講演1
北田亮(自然科学研究機構 生理学研究所)
「他者の行動理解と模倣に関わる脳内ネットワーク」
要旨:他者の行動を理解する能力は、社会で生きていくうえで欠かせ
ないものである。この能力は脳の広範なネットワークにより実現され
ているが、それを構成する各部位の役割分担については不明な点が多い。
本講演では、視覚に専ら関わると考えられていた脳部位(高次視覚野)
が、(1)他者と自己の動作の同一性の検出に関わること、(2) 同一性の
検出に関わる活動の一部が自閉症スペクトラム者で減弱すること、(3)
生まれつき視覚経験がなくてもその一部が発達すること、について紹介する。



14:05-15:15 ポスター発表
樋田浩一・上野佳奈子・嶋田総太郎 (明治大学/JST CREST)
「遅延順応に伴う事象関連電位の経時的変化」

井口望・田中章浩(東京女子大学)
「音の緊急性知覚が認知課題の遂行に与える影響」

森田磨里絵・田中章浩(東京女子大学)
「処理の流暢性が刺激の美的評価に及ぼす影響」

分部利紘(東京大学教育学研究科/日本学術振興会)
「トップダウン処理と認知機能」

吉田 暁(早稲田大学文学研究科)・石井康智(早稲田大学文学学術院)
「情動反応時における容積脈波のリアプノフ指数について」

井上照沙・田中章浩(東京女子大学)
「何が自己主体感を変えるのか ―Intentional Binding における割合,声の感情価,パーソナリティの効果―」

金重利典・針生悦子(東京大学大学院教育学研究科)
「10か月児、14か月児における表情の理解ー他者の協調的行動を予測する手がかりとしてー」

新村知里・田中章浩(東京女子大学)
「他者年齢と表情が顔の印象判断に及ぼす影響」

安田孝(松山東雲女子大学)・上田卓司・野村奈都・椎名乾平(早稲田大学)
「Tilt blindness:物体の傾き検出の検討」

木幸子(東京女子大学)・原田宗子(生理学研究所)・定藤規弘(生理学研究所/総合研究大学院大学)・Huis In ‘t Veld, Elisabeth (Tilburg University)・de Gelder, Beatrice (Maastricht University)・濱野友希(総合研究大学院大学/生理学研究所)・田部井賢一(三重大学)・田中章浩(東京女子大学)
「表情と音声による視聴覚情動知覚の文化間比較−行動指標および脳活動計測からの検討−」

橋麻衣子・木幸子・田中章浩(東京女子大学)
「発話者の表情が観察者の文章理解と眼球運動に及ぼす影響」


15:15-16:15 講演2
原田宗子 (自然科学研究機構 生理学研究所)
「脳機能イメージングで探る認知の文化差の神経基盤」
要旨:これまでの研究で、文化的背景の違いは視覚処理などの単純な
認知処理から自己認知や他者への共感といった複雑で社会的な認知まで
幅広い認知処理に影響を与えることが示されている。近年急速に発展し
てきた文化神経科学(Cultural Neuroscience)の分野では、社会的な認知
機能の基盤となる神経メカニズムへの文化的影響を研究対象としてきた。
本講演では、個人主義的傾向、集団主義的傾向と絡めた自己認知の文化差、
所属するグループへの所属意識と共感などの幾つかの脳機能イメージング
研究を紹介したいと思う。



16:15-16:20 まとめ

17:30- 懇親会(吉祥寺近辺を予定)

問い合わせ先:P&P研究分科会事務局 橋麻衣子・木幸子(p_and_p@ml.twcu.ac.jp)

 組織

主査:嶋田総太郎(明治大学)

幹事:横澤一彦(東京大学),喜多伸一(神戸大学),田中章浩(東京女子大学),永井聖剛(立命館大学),北田亮(生理学研究所),川崎真弘(筑波大学),宮崎美智子(大妻女子大学)

事務局:座間拓郎・都地裕樹(明治大学)

住所:〒214-8571
   神奈川県川崎市多摩区
   東三田1-1-1 A館605室
   明治大学 理工学部
   電気電子生命学科
   認知脳科学研究室

E-mail:p-and-p[at]ml.meiji.ac.jp


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