日本認知科学会 知覚と行動モデリング(P&P)研究分科会
2016年12月11日(日)に科研費説明会と合同で認知科学冬のシンポジウムを企画開催いたしました。
シンポジウムでは、社会的行動を可視化するソーシャルイメージングや無意識的なプロセスを顕在化させるウェアラブルセンシングなどの最新計測技術をはじめ、
深層学習や物理モデルを用いた脳・行動データ解析手法、日常生活に近い環境でのデータ計測など多岐にわたる認知科学研究をご紹介いただきました。
横澤一彦先生(東京大学)による科研費に関する説明会では、科研費改革の動向とその認知科学への影響についてご講演いただきました。
当日は90名(うち認知科学会非会員25名)の参加者にお集まりいただき、一日を通して、今後の認知科学に新たな展開について活発な議論が行われました。
登壇者の先生方をはじめ、ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
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日本認知科学会2016年度冬のシンポジウム
「認知科学の新展開:テクノロジーの進化は認知科学をどう変えるか?」
認知科学は人間の情報処理プロセスを、行動・生理学的実験や計算モデリングおよびそれらを包括する理論的手法により明らかにしようとする学際的な学問領域である。
そのためには人間の行動およびそのベースとなる脳・生理学的活動を計測・解析することが重要であるが、それらのデータは複雑・膨大であり、研究には様々な困難があった。
しかしながら近年では、最新の情報技術を駆使した実験パラダイムの開拓や機械学習・ビッグデータ解析手法の飛躍的発展など、認知科学の研究手法に新たな展開が
見え始めてきた。また他方では、人間の認知能力を様々な側面から促進・拡張する工学的技術も推し進められている。
今回のシンポジウムでは、最新の研究手法を駆使
して認知科学分野で研究を進めている第一線の研究者に講演をしていただき、認知科学の輪郭をもう一度捉え直すとともに、今後の研究の新たな展開について考える機会としたい。
【日程】
2016年12月11日(日) 13:00〜17:30
【場所】
明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン2階
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
【プログラム】
13:00 〜 13:10 【趣旨説明】
13:10 〜 14:00 【招待講演1】 鈴木健嗣(筑波大学)
「人々の社会的な行動を顕在化し明示するソーシャル・イメージング」
14:00 〜 15:00 【分科会連携セッション】
14:00 〜 14:20 【発表1】 伊藤崇(北海道大学)
「小学1年生から6年生までが参加する創造的協同活動における対面行動の分析
:人間行動センシングツールを用いた調査から」
14:20 〜 14:40 【発表2】 清水大地(東京大学)
「ブレイクダンスにおける創作と実践の現場に対するアプローチ」
14:40 〜 15:00 【発表3】 日高昇平(北陸先端科学技術大学院大学)
「身体運動から意図推定へ:振子振り上げ運動の分析(仮)」
15:00 〜 15:20 休憩(coffee break)
15:20 〜 16:10 【招待講演2】 林隆介(産業技術総合研究所)
「ディープニューラルネットと脳:視覚認知処理のさらなる理解に向けて」
16:10 〜 17:00 【招待講演3】 渡邊克巳(早稲田大学)
「潜在的な同調と社会性」
※ なお同日同会場で以下の科研費に関する説明会と日本認知科学会総会が開催されました。
10:30 〜 11:30 「科研費改革 −認知科学への影響−」
日本学術振興会 学術システム研究センター 専門研究員
横澤一彦 (東京大学)
11:30 〜 12:30 休憩(運営委員会)
12:30 〜 13:00 総会
主査:嶋田総太郎(明治大学)
幹事:横澤一彦(東京大学),喜多伸一(神戸大学),田中章浩(東京女子大学),永井聖剛(立命館大学),北田亮(生理学研究所),川崎真弘(筑波大学),宮崎美智子(大妻女子大学)
事務局:座間拓郎・都地裕樹(明治大学)
住所:〒214-8571
神奈川県川崎市多摩区
東三田1-1-1 A館605室
明治大学 理工学部
電気電子生命学科
認知脳科学研究室
E-mail:p-and-p[at]ml.meiji.ac.jp