日本認知科学会
知覚と行動モデリング(P&P)研究分科会
 「知覚と行動モデリング(Perception & Psychonomic modeling)」研究分科会(SIG P&P)では,知覚・行動における情報処理システム・脳システムのメカニズムを統合的に理解することを目指し,心理学・脳神経科学・社会科学・人工知能・ロボット工学などの多様なバックグランドを持つ研究者が集い,知覚と行動の認知モデルについて多角的に議論していける場を提供していきたいと思います。多感覚知覚・身体性/社会性認知・エンボディメント・コミュニケーション・意識・美感・ニューロエコノミクスなどの様々な分野と関連しながら,実験心理学や認知神経科学からのアプローチによる知覚・認知行動研究の新たな枠組みを創出することを目指します。


研究会を開催しました



日本認知科学会 P&P研究会を2016年3月18日(金)に開催しました。
北海道大学・小川健二先生と筑波大学・川崎真弘先生によるご講演、および、若手研究者による18件のポスター発表が行われました。
当日は42名の方がご参加くださり、活発な議論が行われました。


【日程】
  2016年3月18日(金) 13:30〜17:30

【場所】
  明治大学中野キャンパス 6階プレゼンテーションスペース
  http://www.meiji.ac.jp/nakano/access/index.html

【抄録集】
  こちらからダウンロードいただけます。

【プログラム】
  13:00〜 受付
  13:30〜14:30 招待講演:小川健二先生(北海道大学)
          「運動の学習と認識に関わる神経表象:モデルベースfMRIとデコーディングによる検討」
  14:40〜15:50 ポスター発表
  16:00〜17:00 招待講演:川崎真弘先生(筑波大学)
          「コミュニケーションと精神疾患に関わる脳波リズム」
  17:30〜 懇親会

【招待講演】
 小川健二先生(北海道大学)
  題目:運動の学習と認識に関わる神経表象:モデルベースfMRIとデコーディングによる検討
  要旨:ヒトは感覚運動情報を利用して新しい運動を学習するとともに、自身の運動系は他者運動の認識にも関与している
     点が知られている。本講演ではまず、運動学習中の脳活動をモデルベースのfMRIで分析し、早い学習成分と遅い
     学習成分に関わる脳活動を可視化した研究を紹介する。さらにfMRIデコーディングを使うことで、運動系(頭頂
     葉と運動前野)において他者の行為が視点非依存的に符号化されている点を示した研究を紹介する。
 川崎真弘先生(筑波大学)
  題目:コミュニケーションと精神疾患に関わる脳波リズム
  要旨:我々のコミュニケーションの中には無意識的に他者と同期する行動リズムが存在する。それと同様に、我々の脳内
     にもニューロン間、脳部位間で同期する脳波リズムが存在する。本講演では両者の関係から見えるコミュニケー
     ションのメカニズムを議論する。さらに、このような脳波リズムを指標として精神疾患の評価に向けた研究を紹
     介する。

【ポスター発表】
  1.「身体化した義手は姿勢を安定させる」
    今泉修 (千葉大学),浅井智久 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所),小山慎一 (千葉大学)
  2.「時間的文脈に依存して自身が生成する時間間隔の知覚は損なわれる」
    箕谷啓太 (東京工業大学),柏野牧夫 (東京工業大学,NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
  3.「強迫傾向による無意識的な認知抑制低下を補う脳メカニズム」
    伊與木菜生,宮内英里,川崎真弘 (筑波大学)
  4.「映像遅延による視覚誘導運動エラーが自己身体認識に与える影響」
    高橋芳幸,座間拓郎,嶋田総太郎 (明治大学)
  5.「随意運動準備期間中における運動前野の脳波−近赤外分光法同時計測」
    座間拓郎,嶋田総太郎 (明治大学)
  6.「幼児の自己身体部位の定位における言語ラベル呈示の影響」
    宮崎美智子 (大妻女子大学),高橋英之 (大阪大学),開一夫 (東京大学)
  7.「視覚的フィードバックの遅延に対する気付きは身体運動‐視覚間の同時性知覚の再較正に必要か?」
    辻田匡葵 (千葉大学,日本学術振興会),山田浩一郎,一川誠 (千葉大学)
  8.「人物同定は顔と声の感情一致性によって阻害されるか?」
    岡本彩斗子,川瀬茉里奈,高田理恵子,高山沙絢,中村有希,田中章浩 (東京女子大学)
  9.「対戦ゲームにおけるプレイヤーと観察者の二者間脳機能結合解析」
    小出允善,嶋田総太郎 (明治大学)
  10.「音から感じるアニマシー ‐音の間隔と音圧がアニマシーに及ぼす影響‐」
    澤田佳子,田中章浩 (東京女子大学)
  11.「身体所有感を生じた他者の手の運動観察に伴う観察者の身体反応」
    渋谷賢,畝中智志,大木紫 (杏林大学)
  12.「肉声と合成音声が緊急性知覚に与える影響」
    野口杏奈,平田美音,皆川佳菜恵,吉住茉莉,田中章浩 (東京女子大学)
  13.「自己主体感に関連する事象関連電位成分 -身体運動に伴う聴覚フィードバックの遅延検出-」
    樋田浩一,上野佳奈子,嶋田総太郎 (明治大学,JST CREST)
  14.「聴覚刺激の遅延検出に伴う事象関連電位成分の特徴の検討」
    桃川智行,富澤創,樋田浩一,上野佳奈子,嶋田総太郎 (明治大学,JST CREST)
  15.「ラバーハンド錯覚時に生じる人工手での触知覚を反映する脳活動」
    畝中智志,渋谷賢, 大木紫 (杏林大学)
  16.「多感覚な情動認知における文化差の発達過程」
    河原美彩子 (東京女子大学),Disa Sauter (University of Amsterdam),田中章浩 (東京女子大学)
  17.「社交不安傾向が他者視線に対する脳内処理プロセスに与える影響−事象関連電位:P200 による検討−」
    都地裕樹,嶋田総太郎 (明治大学)
  18.「脳波を用いた聴性定常状態誘発反応の周波数成分解析」
    関口大地,嶋田総太郎 (明治大学)


小川先生によるご講演


川崎先生によるご講演


講演会場風景


ポスター発表風景



 組織

主査:嶋田総太郎(明治大学)

幹事:横澤一彦(東京大学),喜多伸一(神戸大学),田中章浩(東京女子大学),永井聖剛(立命館大学),北田亮(生理学研究所),川崎真弘(筑波大学),宮崎美智子(大妻女子大学)

事務局:座間拓郎・都地裕樹(明治大学)

住所:〒214-8571
   神奈川県川崎市多摩区
   東三田1-1-1 A館605室
   明治大学 理工学部
   電気電子生命学科
   認知脳科学研究室

E-mail:p-and-p[at]ml.meiji.ac.jp


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